この過払い金返還請求を簡単に説明すると、消費者金融業者などからお金を借りた人、つまり債務者が制限されている利息を超えて消費者金融などの貸金業者に対して返済し過ぎてしまったお金のことを指します。
以前に貸金業者を利用していたことがあり、過払い金返還請求が発生
している可能性のある方は、実際に過払いが発生していたかどうかを確認する必要があります。この過払いの発生の有無を確認するには、貸金業者から自分の取引履歴を取り寄せて、利息制限法に沿って引き直し計算をしなければなりません。
消費者金融などの貸金業者に対して、取引履歴の開示請求をするには、普通郵便、書留郵便、内容証明郵便、FAXなど「文書」で開示請求するのが良いとされています。
というのも、取引履歴の開示請求を貸金業者に対して形の残る「文書」として請求をしておけば、もし訴訟になった場合、「取引履歴の不開示に基づく損害賠償請求」の証拠としても使用することができるからです。
もしもあなたが貸金業者に対して開示請求をしても、貸金業者から取引履歴が開示されない場合には、監督庁所轄の財務局や都道府県金融課などに行政指導をして貰うように働きかけます。
取引履歴の計算書が貸金業者の約定利率に基づくものであり、利息制限法を越えて出資法ぎりぎりの利率での貸付けであった場合には、過払い金返還請求が発生している可能性があります。この際には、引直計算をする必要があります。
引き直し計算をする上で、是非とも知っておいていただきたいのが、過払い金返還請求に対しても利息は発生するということです。具体的な利息について言うと、過払い金の利息は民法404条で規定されている5%が一般的であるとされています。しかしながら、判例によっては商法514条の規定する6%とするものもあります。
貸金業者にもよりますが、裁判をせずとも過払い金返還請求の返還に応じる業者もあります。(貸金業者の方も、裁判にかかる費用や手間を考えると、示談して和解に応じたほうが得だと考えるケースもあるということです)
貸金業者と裁判をせずに和解する場合、過払い金全額の60%-90%程度に減額した金額で和解するケースが多いとされています。
過払い金の返還請求に関する裁判を貸金業者に対して起こす際に、簡易裁判所と地方裁判所とのどちらで起こすべきかということになりますが、これは、訴額、つまり過払い金の返還請求額が140万以下か以上かによって決まります。
具体的には、140万円以下の場合には、簡易裁判所で裁判を起こすことになります。140万円以上の場合には地方裁判所と決められています。
実際に裁判を起こす際の要求として、過払い金返返還請求の訴訟では、返還請求に加えて、弁護士費用や取引履歴の不開示に基づく損害賠償請求をすることもできます。
過払い金返還請求権の消滅時効は10年となっています。この10年の起算日は過払い金が発生した時点から計算されます。
過払い金は、グレーゾーン金利と呼ばれる2つの法律が定めている上限利息の差から生み出されています。
利息制限法の上限利率から出資法上限利率の間の金利をグレーゾーン金利といい、多くの消費者金融業者などの貸金業者が出資法の上限利率に近い金利で融資しています。
利息制限法の上限利息を超過する利息契約は無効でありますが(これが過払い金返還請求の理由ですね)、一方で貸金業規制法43条では、この利息制限法の超過利息であっても、債務者が「任意に利息として支払った場合は有効な利息の弁済とみなす」と定めています。